最近、本を読むようになりました。

もともと本は大好きなのですが、子育て&NPO活動&仕事も忙しくなってバタバタしている中で、ほとんど読む時間が取れなくなっていました(反省)。一応会社員なんで、土曜日には日経新聞くらいは読んでいましたが…(ちなみに日経プラスワンが大好き)

それが、年末あたりからすでに10冊以上の本を読んでます。
そして、印象に残ったことをノートに書き綴っています。
本を読む中で、色んな本の紹介がされており、その本も読むとまたさらに…という流れに。
そして、出逢ってしまったのが、この本。

「君たちはどう生きるか?」

 

 

 

 

 

 

 

この本が書かれたのは、80年前のこと。
第二次世界大戦前で、厳しい言論統制が敷かれていた中、書かれたものです。

現代にも通じる内容ばかりで、引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。
ですが、何度も何度も読み返したくなる本で、一つ一つのメッセージがとても深いです。
コペル君のおじさんの、コペル君や子供たちへの一貫した深い愛情が感じられて、泣けてきそうになりました。

内容は、今を生きる子供たちへのメッセージ。
社会の、そして人間のありようを示した上で、それを否定するのではなく
「コペル君、君はどう生きるべきか?」を問いかけるような場面がたくさん出てきます。
それがまったく押しつけがましくなく、読んでいて気持ちがいいのです。

私は「コペル君のおじさん」のような大人になることを人生の目標にしたい。とまで思いました。
くるみー来未の活動でも、「こういうことがやりたい!」と深く深く思い、スイッチが入りました。
来年度の事業活動として、さっそく準備しているところです。

心に染み入る言葉がいくつも出てきますが、今日は「人間の結びつきについて」の文章を抜粋してご紹介します。

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人間は、人間同士、地球を包んでしまうような網目をつくりあげたとはいえ、そのつながりは、まだまだ本当に人間らしい関係になっているとはいえない。だから、これほど人類が進歩しながら、人間同士の争いが、いまだに絶えないんだ。

裁判所では、お金のために訴訟の起こされない日は一日もないし、国と国との間でも、利害が衝突すれば、戦争をしても争うことになる。

だが、コペル君、人間は、いうまでもなく、人間らしくなくっちゃあいけない。
人間が人間らしくない関係の中にいるなんて、残念なことなんだ。
たとえ「赤の他人」の間にだって、ちゃんと人間らしい関係を打ちたてていくのが本当だ。

――もちろん、こういったからといって、何も、いますぐ君にどうしろ、こうしろというわけではない。
ただ、君が大人になってゆくとともに、こういうことも、まじめに心がけてもらいたいものだとおもっていうんだ。これは、人類が今まで進歩してきて、まだ解決のできないでいる問題の一つなんだから。

では、本当に人間らしい関係とは、どういう関係だろう。

――君のお母さんは、君のために何かしても、その報酬を欲しがりはしないね。
君のためにつくしているということが、そのままお母さんの喜びだ。
君にしても、仲のいい友達に何かしてあげられれば、それだけで、もう十分うれしいじゃないか。

人間が人間同士、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない。
そして、それが本当に人間らしい人間関係だと、――コペル君、君はそうおもわないかしら。

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